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最小値はいずれも1だが、最大値は、パートが5(6カ月程度)であるが、派遣と請負では7(3年程度)となっていることから、派遣や請負では、ややむずかしい仕事も含まれていることがわかる。
さらに、各雇用形態の活用の有無別にみると、パートと請負では有意な差がみられないが、派遣活用では、活用事業所では活用してない事業所よりもスキル水準が高くT検定の結果も有意である。
このことは、非正規にまかせたいある平均的な仕事がある場合、派遣活用事業所では、その仕事のレベルがやや高いので派遣にやらせている可能性のあることを示唆する。
なお、表には掲載してないが、正社員の場合の平均(新人正社員が平均的な仕事をふつうにこなせる期間)が、3〜4程度(つまり「3〜4週間」から「3カ月」程度)であるから、正社員のレベルは非正規よりも高いものの、派遣や請負のなかには正社員なみかそれ以上の経験を要する仕事に従事している者が含まれていることを示唆していよう。
非正規労働者の活用の有無や割合は労使関係的要因によって影響を受けたり、逆に活用の有無や割合が労使関係に影響を与えたりすると考えられる。
例えば、アンケート調査に先行して実施した労使への聞き取り調査結果によれば、労使間で非正規の活用範囲を協議している事業所が多く、なかには正規労働者との関係でみた非正規労働者の割合のガイドラインを数値で明示している事業所もみられた。
このことは、正社員以外の雇用形態を活用するときに、会社が労働組合と何らかのかたちで話し合ったり協議したりする慣行がみられることを示している。
それでは、実際のところ労働組合は、これらの点についてどのように関与しているのだろうか。
また関与する内容や程度は活用する雇用形態によって差異がみられるのだろうか。
さらに、労働組合は、正社員以外の雇用形態を多く活用するから協議しているのか、それとも組合の発言が活用数や活用範囲を抑制し制限するように作用しているのかについても検討する必要がある。
非正規労働者のうち主要な雇用形態について労組と経営がどのような点について協議・決定しているかを整理したものである。
このことから以下の点が指摘できる。
第1に、パート、派遣、請負ともその活用について労使間で協議もしくは決定事項にしている事業所は少なく、せいぜい1割〜3割弱であり、多くは「(会社から)報告を受けている」であり、残るは「何もしていない」労組である。
第2に、しかしながら、活用する雇用形態によって協議事項は異なっている。
パート活用主体の事業所では、パートの活用者数が、派遣主体の事業所では派遣労働者の仕事の範囲が、請負主体の事業所では請負労働者を活用する部門・職場や仕事の範囲が、それぞれ協議・決定事項とする割合が多くなる。
しかしこの結果からだけでは、労組の非正規活用への関与が非正規の活用を抑制するように作用しているのかどうかはわからない。
そこで各雇用形態の活用について、協議・決定事項にしている労組と「報告、何もしてない」労組とを比較し、(総従業員に占める)各雇用形態の割合にいかなるちがいを生み出しているかをみよう。
第1に、パート活用については、人数、予算、仕事範囲については協議・決定の扱いにしている労組でパート比率がやや低く、正社員に対する割合、活用部門については逆に協議・決定の扱い労組でパート比率がやや高くなっている。
なおいずれもT検定結果は有意ではない。
第2に、派遣活用については、人数、予算について協議・決定の扱いにしている労組では派遣比率がやや低く、正社員に対する割合、活用部門、仕事の範囲については逆に協議・決定の扱い労組で派遣比率がやや高くなっている。
なおいずれもT検定結果は有意ではない。
第3に、請負活用については、人数、予算について協議・決定の扱いにしている労組では請負比率がやや低く、正社員に対する割合、活用部門、仕事の範囲については逆に協議。
決定の扱い労組で請負比率がやや高くなっている。
T検定結果は仕事の範囲事項で有意である。
以上のことから、次のようにいうことができよう。
つまり、労組が非正規の活用について協議・決定の扱いをしているといっても、そのことによって非正規の活用が抑制されているとか制限されているという意味で労組による規制がかけられていると一概にいうことはできない。
たしかに人数や予算を協議・決定事項にしている労組では、そうでない労組と比べて総従業員に占める各雇用形態の割合が低くなる傾向にある。
その意味では要員規制を行なっている労組が存在する。
しかしそれが全てではなく、請負活用で顕著にみられるように、活用部門や仕事の範囲については、協議・決定事項にしている労組のほうが各雇用形態割合が多いことから、こうした場合は、非正規を多く活用することを前提にしたうえで、その活用部門や仕事範囲を明確に定めるかたちで発言・関与している労組が存在しているといえるだろう。
これまで、冒頭に明示した分析のフレームワークに即して非正規労働者活用を規定すると思われる要因をクロス集計によって考察してきた。
つまり、非正規労働者の活用を規定すると思われる要因を、製品・技術特性にかかわる要因群、地域労働市場にかかわる要因群、仕事の難易度にかかわる要因群、労使関係と労働組合の関与にかかわる要因群に分けて考察し、活用する雇用タイプによっていかなる差異がみられるのかについても分析してみた。
その結果、活用する非正規労働者の如何にかかわらず共通する要因と、共通でない要因がある程度識別されてきた。
以下では、こうした分析を受けて、それぞれの雇用形態の活用に及ぼす影響を、他の変数を一定と仮定したときの統計的有意'性を識別するため、各雇用形態の活用の有無を従属変数にしたロジット分析を行なう。
事業所が各雇用形態を活用しているかしていないかは、いずれも1、0のダミー変数だが、それが活用なしの選択に対する各雇用形態の選択確率を対数化したものを従属変数とするロジスチック回帰モデルによって推計する。
具体的には、事業所が当該雇用形態を活用している=1、活用していない=0を従属変数とし、独立変数は、これまで分析枠組みに取り込んできた要因群に加えて、従業員規模や業種なども変数に取りいれ、合計21の変数を用いる。
以上の変数からなるモデルの推計結果を示したものである。
パート活用については、カイ2乗値が有意でなくモデルの当てはまりがあまりよくない。
また、統計的に有意な変数も、海外生産変数のみと少ない。
海外生産変数は符号は正なので、海外生産をしていないかあるいは小さな規模にとどまる事業所ではパート活用が多い。
派遣活用については、カイ2乗値が有意でありモデルのあてはまりはよい。
派遣活用に強い影響を与えている変数は、仕事の難易度変数と請負活用ダミー、やや影響を与えているものは従業員規模変数と海外生産変数である。
つまり与えられている仕事が習熟を要し、請負活用はあまりすすんでおらず、従業員規模が大きく、海外生産が大規模に行なわれていない事業所で派遣は活用される傾向にある。
派遣活用が、仕事が比較的高度な職場をもつ事業所で多いという結果は、分析結果と一致する。
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